青色申告のやり方、複式簿記のつけ方(個人事業主、フリーランスの場合)

Pocket
このエントリーを Google ブックマーク に追加
LINEで送る

青色申告のやり方、複式簿記のつけ方を具体的に説明。個人事業主(フリーランス)として青色申告したときのメリット(所得控除は最大65万円)や、会計アプリ「aoiro」の使い方、e-Tax(電子申告)の手順も説明。

青色申告のやり方・複式簿記のつけ方

事前に税務署に提出(開業届、青色申告承認申請書)

青色申告とは

  • 「青色申告できる条件は?個人事業主やサラリーマンの副業の場合を解説」
  • 確定申告の種類
      • 白色申告
        • サラリーマンの確定申告(医療費控除・寄付金控除など)
        • 所得控除なし
      • 青色申告(簡易簿記) 所得控除10万円
      • 青色申告(複式簿記) 所得控除55万円
      • 青色申告(複式簿記)+電子申告 所得控除65万円
  • 「青色申告(複式簿記)+電子申告」なら、最大65万円の所得控除がある

青色申告するメリット

  • 個人事業主が、青色申告すると所得控除(最大65万円)を受けることができる。
  • 具体例)
    • シルバー人材センターで「請負」「委任」の業務を請け負う会員は、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(通称「フリーランス新法」)の適用を受ける「フリーランス」に該当する。つまり、「個人事業主」になることができる。
      • 「個人事業主とは?フリーランスとの違い、メリットとデメリット、なり方をわかりやすく解説」
        • 「個人事業主」は税務上の呼称で、「フリーランス」は働き方の一種
        • 「フリーランス」が、開業届に必要事項を記入して税務署に提出すれば、「個人事業主」になれる
      • 個人事業主が青色申告すると、所得控除を受けられる(所得税という税金を取られないで済む)
      • シルバー人材センターの会員の、1年間の所得(収入ー経費)が
        • 所得が10万円以上なら、青色申告(簡易簿記)すれば、10万円の所得控除を受けられる
          • (所得に20%の所得税がかかると仮定すれば、2万円以上お得)
        • 所得が55万円以上なら、青色申告(複式簿記)すれば、55万円の所得控除を受けられる
          • (所得に20%の所得税がかかると仮定すれば、11万円以上お得。多分、20万円近くお得)
        • 所得が65万円以上なら、青色申告(簡易簿記)+電子申告すれば、65万円の所得控除を受けられる
          • (所得に20%の所得税がかかると仮定すれば、13万円以上お得。多分、20万円以上お得)

複式簿記の考え方

YouTube「【超簡単】複式簿記の借方貸方の覚え方【公認会計士】日商簿記/簿記検定」:分かりやすい

YouTube「【複式簿記】フリーランスの帳簿の付け方の全体像を把握しよう!by 女性税理士」

借方・貸方の考え方2つ

  • 財源イメージ
    • 借方=いまあるもの 貸方=その出所
      • 例)現金20万円を出資して開業した
      • 借方=現金20万円 貸方=資本金20万円
  • 等価交換イメージ
    • 借方=(借りて)入ってきた、増えた、得られた 貸方=(貸して)出て行った、減った、失われた
      • 例)50万円の商品を仕入れ、代金は現金払いとした
      • 借方=商品50万円 貸方=現金50万円

費用は借方、収益は貸方

  • 等価交換にならない取引がある
    • 便益として消費された=【費用】
      •  例)電話料金5,000円を現金で払った
      • 借方=通信費5,000円 貸方=現金5,000円
    • 対価なしで済んだ=【収益】
      •  例)50万円で仕入れた商品が80万円(現金)で売れた
      • 借方=現金80万円 貸方=商品50万円、商品売却益30万円

仕訳と勘定記入

基本的な仕訳方法の例(お金が出ていく取引の仕訳(仕入れ・経費支払い))

  • 7月10日 商品¥10,000を仕入れ、
    代金のうち¥3,000を現金で支払い、残額は掛けとした
(借)仕入  10,000 (貸)現金 3,000
       買掛金 7,000
    • 8月30日 買掛金¥7,000を普通預金口座から振り込んだ
(借)買掛金 7,000 (貸)普通預金 7,000
  • 7月10日 備品¥10,000を購入し、代金を現金で支払った
(借)備品 10,000 (貸)現金 10,000
  • 7月10日 備品¥10,000を購入し、代金は翌月末日払いとした
    (借)備品 10,000 (貸)未払金 10,000
    • (事業用クレジットカード払いの場合も未払金が一般的)
  • 10月1日 ガソリン代¥5,000を、事業用クレジットカードで購入し、10/26に事業用普通預金から引き落とされた
    10/1 (借)燃料費 5,000 (貸)未払金 5,000
    10/26 (借)未払金 5,000 (貸)普通預金 5,000
    • (事業用クレジットの支払日には、未払金がまとめて引き落とされる)
    • 参考)毎月、反復される定期的な経費であれば引き落し日だけの簡便な仕訳でも良い
      (借)通信費 8,000 (貸)普通預金 8,000
  • 事務所の電話料金¥10,000が、事業用普通預金から引き落とされた
    (借)通信費 10,000 (貸)普通預金 10,000
  • 郵便局で事業用の郵便切手¥920購入し、事業主が立て替えた
    (借)通信費 920 (貸)事業主借 920
  • 事業預貯金への利息 : 事業用の普通預金口座に普通預金利息¥20がついた
    (借)普通預金 20 (貸)事業主借 20
    • (利子所得であって、事業所得ではない)
  • 事業主が事業用の資金を追加で入れた場合
    事業主が、事業用資金として、事業用普通預金口座に追加で¥10,000入金した

    (借)普通預金 10,000 (貸)事業主借 10,000
    • (元入金ではダメ。期首と期末の元入金(資本金にあたる)は、同額である必要あるため)
  • 事業用の資金から家計に生活資金を引き出した場合
    事業用資金から生活費として現金¥250,000を引き出した

    (借)事業主貸 250,000 (貸)現金 250,000
    • (元入金ではダメ。期首と期末の元入金(資本金にあたる)は、同額である必要あるため)

基本的な仕訳方法の例(お金が入ってくる取引の仕訳(売上))

  • 7月20日 商品¥10,000を、¥15,000で販売し、
    代金は現金で受け取った

    (借)現金 15,000 (貸)売上 15,000
    • 収益は、この時点では記入しない。最後にまとめて、総売上額ー総仕入額で出すのが一般的。
  • 7月20日 商品¥10,000を、¥15,000で販売し、
    代金は翌月末日回収とした(代金は掛けとした)

    (借)売掛金 15,000 (貸)売上 15,000
    • 8月30日 売掛金¥15,000が事業用普通預金口座に振り込まれた
      (借)普通預金 15,000 (貸)売掛金 15,000

 

会計アプリ「aoiroアオイロ 」の使い方

  • 「aoiroアオイロ 」とは、青色申告に必要な 最小限の帳簿 と 決算書 を簡単に作成できる無料の会計ソフト
    • 64ビット版Windows10/11、macOS Sierra 10.12 以降 に対応
    • 余計な機能はなくて、シンプル
    • 電子帳簿保存法に対応
    • 仕訳を入力するだけで良い(簿記が分からなくても良い)

青色申告のやり方、複式簿記のつけ方、会計アプリaoiroの使用方法(個人事業主、フリーランス)

 

その他資料

事業主貸・事業主借

  • 事業用と個人用の、各普通預金と各クレジットカードがある場合の使い分けと仕訳、勘定科目
        • 事業用普通預金、そこから引き落とす事業用クリジットカード
        • 個人用(生活用)普通預金、そこから引き落とす個人用クリジットカード
    • 経費(備品)を個人用クレジットカードから使った場合、事業主が立て替えた、と考えるので「事業主借」とする
      • 【疑問】その場合の、勘定科目や帳簿への記入の仕方はどうなるのか? 
        • 案1)個人用クレジットカードを使った日7/20だけを記入する。引き落としは気にしない。
          • 7/20 (借)備品費 ¥3,000  (貸)事業主借 ¥3,000
        • 案2)個人用クレジットカードと紐付いた個人普通預金から引き落とされた日8/25だけを記入する
          • 8/25 (借)備品費 ¥3,000  (貸)事業主借 ¥3,000
        • 案3)個人用クレジットカードを使用した日7/20に記入し、かつ個人普通預金から引き落とされた日8/25も記入する
          • 7/20 (借)備品費 ¥3,000  (貸)未払金 ¥3,000
          • 8/25 (借)未払金 ¥3,000  (貸)事業主借 ¥3,000
      • 【結論】案1)「個人用クレジットカードを使った日7/20だけを記入」で良い 
        • 参考)事業用クレジットカードを使い事業用普通預金から引き落としされる場合(事業主借ではない)
          • 7/20 (借)備品費 ¥3,000  (貸)未払金 ¥3,000
          • 8/25 (借)未払金 ¥3,000  (貸)普通預金 ¥3,000
  • 事業主貸と事業主借
    • 「事業主貸と事業主借を正しく使い分けるには?仕訳例でわかりやすく解説!」
    • 事業主貸
      • 意味: 事業用のお金を、個人の生活費や個人的な支出(例:所得税、住民税、国民健康保険料など)に充てた場合に使う勘定科目
      • 考え方: 個人事業主が「事業用のお金をプライベートに貸した」と考える
      • : 事業用口座から生活費として現金を引出した場合。 事業に関係ない所得税や住民税を納税した場合。
    • 事業主借
      • 意味: 個人の資金を、事業の資金が不足している場合に投入したり、事業で使う物品などを個人的なクレジットカードで支払ったりした場合に使う勘定科目
      • 考え方: 事業主が「事業からお金を借りた」と考える
      • : 不足した事業資金を個人の貯金から事業用口座に入金した場合。 
          個人の現金や個人用クレジットカードで事業用の備品を購入した場合

e-Tax(電子申告)で青色申告する具体的な手順・方法

 

その他の例 車を購入する時、株式の譲渡損益の場合

車を購入する場合

  • 購入した車を、事業で使用する場合(ただし、移動手段として使用)、帳簿はどうする?
    • 参考)事業用(お客を乗せて、利益を上げる)ではない。あくまでも個人所有だが、100%仕事に使う。
      • 車を事業用車として購入することはできない。
      • 購入費用、車検代、燃料費、自動車保険、駐車場代(自宅に停める場合も)その他すべてを経費で落としたい。
      • 100%事業で使うので、事業用のお金で車を購入する(固定資産とするのか?)? それとも個人のお金で購入する?★★?
  • LINEのオープンチャットで、質問してみた。
スマホ講習の講師を主ななりわいとする個人事業主です。
新車購入の有利な方法を教えてください。
仕事専用の軽自動車を、今月、新車で購入します。
その場合の、青色申告で有利なやり方を教えていただきたいです。
新車の軽自動車を5年間乗って返すと想定して、銀行引き落として130万円一括支払いとし、5年後の残価が約70万円です。
現在、1台の車を所有しており、ガソリン代の家事按分を50%としています。
新車購入後は、その車は個人専用とし、もう1台(軽自動車で新車)を仕事専用とする予定です。
まず、支払う口座は、個人専用銀行口座でも良いのでしょうか、「事業主借」か。
仕事専用銀行口座で支払った方が良いでしょうか? 
どちらでも同じでしょうか?
なお、仕事専用車は事業用(お客を乗せてお金を稼ぐ)ではないです(スマホ講習の場所やイベント会場への移動に使うだけ)。
軽自動車(新車)の法定耐用年数は4年。減価償却は4年で行う? 
具体的にどういう簿記記入をすればいいのかも、分かりません。

個人所有の株式の譲渡損益の場合

  • 事業とは関係ないので、白色申告と同じで良い

 

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。