リピーター機能(WDS、中継)の設定方法、つながらない対策(法人向け無線LANアクセスポイントWAPM、WAPS)(バッファロー)
バッファローの法人向け無線LANアクセスポイント AirStation Pro(WAPM、WAPSシリーズ)のリピーター機能(WDS、中継)設定の手順をわかりやすく説明。複数のアクセスポイントのSSIDと暗号化キーとを同じものに設定すれば、ローミングも可能。
法人向けのアクセスポイントのWDS設定手順(バッファロー)
リピーター機能(WDS機能)とは
- 法人向けアクセスポイントの間で、中継を実現する機能
- 個人向けルーターを使用して実現する中継通信よりも、通信の安定性が高いです。
設定手順
- 複数の認証方式があります。同一の認証方式(WDS)の無線アクセスポイント同士がWDS接続可能です。
- 同一機種なら同じ認証方式で設定する。別機種なら、アクセスポイントの認証方式の互換性を、以下で確認します。
- 1台目と2台目は、ほぼ同じ手順です。設定画面の「詳細設定」から設定します。設定画面の表示には2つの方法があります。
- 方法1)エアステーション設定ツール方法
- 方法2)設定画面表示の別の方法(固定IPアドレスのPC使用)
- 設定画面の初期IPアドレスは、192.168.11.100
- 従って、PCを有線接続して、IPアドレスを192.168.11.*(255.255.255.0)に固定して、192.168.11.100をブラウザで開けばよい。
- 機種によって、大きく2種類の設定手順があります。以下に、2つのグループに分けて設定手順を記述します。
- WAPM-1166D のグループ(少し古いアクセスポイント)
- WAPM-1266WDPR のグループ(最近のアクセスポイント)
- WAPM-AX4R、WAPM-AX8Rは、リピーター機能を実装済み(ファームウェアVer1.30にて)
- WAPM-1266WDPR、WAPM-1266R、WAPS-1266、WAPM-1750D、WAPM-2133R、WAPM-2133TR
- WAPS-AX4、WAPS-AX4/Z
WAPM-1166Dなど(法人向けアクセスポイント)のWDS設定手順
WAPM-1166D、WAPM-APG600H、WAPS-300WDP、WAPS-APG600H、WAPS-AG300H、WAPM-HP-AM54G54、WAPS-HP-AM54G54、WAPS-HP-G54 など、ほぼ同じ設定手順です。
設定できる無線LANには、IEEE802.11g(2.4GHz)、IEEE802.11a(5GHz)の二種類の規格があり、規格ごとに設定を行うことができます。
- 1)[無線設定][無線基本](WAPM-1166Dページ46/94、WAPM-APG600Hページ62/127、WAPS-300WDPページ29/75、WAPS-APG600H / WAPS-AG300Hページ45/93、WAPM-HP-AM54G54ページ131/204、WAPS-HP-AM54G54ページ114/180、WAPS-HP-G54ページ114/180)
- 「無線LAN」: 有効
- 「無線モード」: (1台目と2台目を同じモードに設定) 例:11b/g/n
- WDSの接続先として設定された機器との通信については、この「無線モード」設定にかかわらず、自動的に通信速度を決定されるが、同じにしておくのが無難。
- 「オートチャンネル」と「チャンネル」の設定方法は、以下の2通り(オートチャンネル:無効と有効)
- 方法1)こちらをお薦めします
- 「オートチャンネル」: 無効
- 「チャンネル」: (1台目と2台目を同じチャンネルに設定)
- (例:6チャンネル)
- 方法2)
- 「オートチャンネル」: 有効
- 「チャンネル」: (1台目と2台目を同じ範囲に設定)
- (例:「Ch 1-11」同士にする、「W52+W53」同士にするなど)
- 方法1)こちらをお薦めします
- 2)[無線設定][無線セキュリティ](WAPM-1166Dページ50/94、WAPM-APG600Hページ69/127、WAPS-300WDPページ33/75、WAPS-APG600H / WAPS-AG300Hページ51/93、WAPM-HP-AM54G54ページ139/204、WAPS-HP-AM54G54ページ122/180、WAPS-HP-G54ページ121/180)
- WDSでは設定不要です(端末とのセキュリティ設定であり、WDSの設定とは関係なし)。
- 3)[無線設定][WDS](WAPM-1166Dページ56/94、WAPM-APG600Hページ76/127、WAPS-300WDPページ39/75、WAPS-APG600H / WAPS-AG300Hページ57/93、WAPM-HP-AM54G54ページ145/204、WAPS-HP-AM54G54ページ128/180、WAPS-HP-G54ページ127/180)
- 「WDS機能」: 使用する or WDS専用モードで使用する で、「設定」クリック
- 参考)WDS専用モードとは、無線子機をつながないモードのこと。その場合、有線接続のみとなる。
- 「Reverse Direction Grant」: 「無効」 (注意:「有効」だと、相手側も機能必要)
- 機種によっては、この設定項目がない場合ある。
- 「アクセスポイントの無線側MACアドレス」 : 相手側のMACアドレス
- 「VLAN設定」: VLANモード = Untagged 、 VLAN ID = 1
- 「暗号化」: (AESを推奨。1台目と2台目を同じ設定にする。異なるとWDSできない。)
- 事前共有キーも、同一のものを設定 で、「追加」クリック
- 「WDS機能」: 使用する or WDS専用モードで使用する で、「設定」クリック
- 4)WDSの動作確認は
- [無線設定][クライアントモニター](WAPM-1166Dページ55/94、WAPM-APG600Hページ75/127、WAPS-300WDPページ38/75、WAPS-APG600H / WAPS-AG300Hページ56/93)で
- WDSクライアントモニターの、
- 接続台数(WDSの相手先の台数)が1台以上存在して
- RSSI(dBm)を確認 → -90dBmあたりだと相手の電波が届いていないので、設置位置を近づける必要がある
- 送信・受信のデータ量を確認 → データ量が動いていれば動作している
- WDSクライアントモニターの、
- [機器診断][通信パケット情報](WAPM-1166Dページ76/94、WAPM-APG600Hページ108/127、WAPS-300WDPページ59/75、WAPS-APG600H / WAPS-AG300Hページ77/93、WAPM-HP-AM54G54ページ173/204、WAPS-HP-AM54G54ページ153/180、WAPS-HP-G54ページ153/180)で、
- [インターフェース]のWDSを確認してもよい。
- [機器診断][pingテスト]
- 対向するアクセスポイントのIPアドレスにpingを打ってみる。
- [無線設定][クライアントモニター](WAPM-1166Dページ55/94、WAPM-APG600Hページ75/127、WAPS-300WDPページ38/75、WAPS-APG600H / WAPS-AG300Hページ56/93)で
WAPM-1266WDPRなど(法人向けアクセスポイント)のWDS設定手順
- 設定事例集に具体的な設定手順が載っている
- 「WAPM-1266WDPR / WAPM-1266WDPRA 設定事例集「例2:拠点間で無線で通信できるようにしたい」(ページ13/41)
- オプションアンテナを使用して、WDS接続する
- 「WAPM-1266WDPR / WAPM-1266WDPRA 設定事例集「例2:拠点間で無線で通信できるようにしたい」(ページ13/41)
- WDSの不具合が修正されている(Ver.1.25 2021/06/08)ので、ファームウェア更新をしてください。
Ver1.18からVer1.19の間に修正された不具合は以下の通りです。
(Wireless)
- リピーター機能(WDS)で、通信先のアクセスポイントとの接続が切れたことが
検出されず、通信が復旧しない場合がある問題を修正しました。
WAPM-AX4R、WAPM-AX8R、WAPM-1266WDPR、WAPM-1266R、WAPS-1266、WAPM-1750D、WAPM-2133R、WAPM-2133TR など、ほぼ同じ設定手順です。
設定できる無線LANには、IEEE802.11g(2.4GHz)、IEEE802.11a(5GHz)の2種類の規格があり、規格ごとに設定を行うことができます。機種(WAPM-2133TR)によっては、IEEE802.11g(2.4GHz)、IEEE802.11a(5GHz Low)、IEEE802.11a(5GHz High)の3種類の規格ごとに設定を行います。
- 1)[無線設定][無線基本] か [Wi-Fi設定][Wi-Fi基本](WAPM-AX4Rページ60/119、WAPM-AX8Rページ52/111、WAPM-1266WDPRページ37/82、WAPM-1266Rページ57/109、WAPS-1266ページ37/80、WAPM-1750Dページ47/96、WAPM-2133TRページ44/92、WAPS-AX4ページ54/107)
- 「無線機能(Wi-Fi機能)」: 使用する
- 「無線モード(Wi-Fiモード)」: (1台目と2台目を同じモードに設定) 例:11b/g/n
- WDSの接続先として設定された機器との通信については、この「無線モード」設定にかかわらず、自動的に通信速度を決定されるが、同じにしておくのが無難。
- 「無線チャンネル(Wi-Fiチャンネル)」: 1台目と2台目を同じチャンネルに設定(2通りある: 固定 と Auto同士)
- 方法1)無線チャンネルを固定する場合(こちらをお薦めします)
- (例:6チャンネル)
- 方法2)無線チャンネルをAuto同士にする場合は、チャンネルの範囲も合わせる
- (例:「Auto(1~11ch)」同士にする、「Auto(W56)」同士にするなど)
- 方法1)無線チャンネルを固定する場合(こちらをお薦めします)
- 2)[無線設定][リピーター機能](WAPM-AX4Rページ64/119、WAPM-AX8Rページ57/111、WAPM-1266WDPRページ40/82、WAPM-1266Rページ60/109、WAPS-1266ページ40/80、WAPM-1750Dページ62/96、 WAPM-2133TRページ48/92、WAPS-AX4ページ58/107)
- [通信可能なアクセスポイントの編集]をクリック
- 「アクセスポイントの無線側MACアドレス」 : 相手側のMACアドレス
- 「VLANモード」: Tagged Port
- 「暗号化」: (AESを推奨。1台目と2台目を同じ設定にする。異なるとWDSできない。)
- 「PSK」: 事前共有キーも、同一のものを設定 で、[新規追加]をクリック
- 「Reverse Direction Grant」: 「無効」 (注意:「有効」だと、相手側も機能必要)
- (機種によっては、この設定項目がない場合ある)
- [編集を終了して前の画面へ戻る]をクリック
- 「リピーター機能(WDS)」: 使用する で、「設定」クリック。
- [通信可能なアクセスポイントの編集]をクリック
- 3)[無線設定][SSID設定](WAPM-AX4Rページ66/119、WAPM-AX8Rページ59/111、WAPM-1266WDPRページ42/82、WAPM-1266Rページ62/109、WAPS-1266ページ42/80、WAPM-1750Dページ51/96、WAPM-2133TRページ50/92、WAPS-AX4ページ60/107)
- WDSでは設定不要です(端末との接続のための設定(SSIDや暗号化)であり、WDSの設定とは関係なし)。
- 4)WDSの動作確認は
- [無線設定][クライアントモニター](WAPM-AX4Rページ82/119、WAPM-AX8Rページ75/111、WAPM-1266WDPRページ55/82、WAPM-1266Rページ77/109、WAPS-1266ページ54/80、WAPM-1750Dページ68/96、WAPM-2133TRページ63/92、WAPS-AX4ページ73/107)で
- 無線LANクライアントモニター(WDS)の、
- 接続台数(WDSの相手先の台数)が1台以上存在して
- RSSI(dBm)を確認 → -90dBmあたりだと相手の電波が届いていないので、設置位置を近づける必要がある
- 送信・受信のデータ量を確認 → データ量が動いていれば動作している
- 無線LANクライアントモニター(WDS)の、
- [機器診断][通信パケット情報](WAPM-AX4Rページ103/119、WAPM-AX8Rページ96/111、WAPM-1266WDPRページ66/82、WAPM-1266Rページ95/109、WAPS-1266ページ65/80、WAPM-1750Dページ81/96、WAPM-2133TRページ76/92、WAPS-AX4ページ92/107)で、
- [インターフェース]のWDSを確認してもよい。
- [機器診断][pingテスト]
- 対向するアクセスポイントのIPアドレスにpingを打ってみる。
- [無線設定][クライアントモニター](WAPM-AX4Rページ82/119、WAPM-AX8Rページ75/111、WAPM-1266WDPRページ55/82、WAPM-1266Rページ77/109、WAPS-1266ページ54/80、WAPM-1750Dページ68/96、WAPM-2133TRページ63/92、WAPS-AX4ページ73/107)で
リピーター機能(WDS)のトピック
- 接続方法と接続台数
- 親-子-孫-ひ孫-・・・ と、制限なく拡張できる。
- ただし、親の直下の子は6台まで。
- 親の直下の子が6台で、さらにその子1台の直下に孫が6台、さらにその孫1台の直下にひ孫が6台・・・というのは許される(あくまでも直下が6台まで)
- 届く距離
- 外部アンテナなしだと、WAPM-,WAPS- シリーズは、通常40m以下の範囲。
- WAPM-1266WDPRの到達距離を参照(100m以上届く)
- 受信のレベルRSSIの目安は、-30 ~ -60dBmで安定。-60dBm以下(-80dBmなど)は不安定。
- 外部アンテナ(/DS)対向だと、1kmくらい(11Mbps)届く。
- アクセスポイントの無線側MACアドレス
- 2.4GHz と 5GHz とで、MACアドレスは異なる。
- 2台のアクセスポイントで、2.4GHzのWDS と 5GHzのWDS とを同時に設定しないこと
- 2.4GHzのWDS と 5GHzのWDS とを同時に設定すると、ループが発生し、通信できなくなる。
- 2台のアクセスポイントで、同じ(PoE)スイッチに接続していると、注意が必要
- その2台のアクセスポイントでWDS設定すると、ループが発生して、通信できなくなる。
- WDS時のSSID
- WDS時のSSIDは、アクセスポイントごとに別のものになる。
- 各アクセスポイントのSSIDと暗号化キーを、同じものに合わせれば、ローミングできる。
- WDS時のSSIDは、アクセスポイントごとに別のものになる。
- 無線チャンネルをAutoに設定した場合の注意
- リピーター機能(WDS)を使用していて、無線チャンネルをAutoに設定した場合、リピーター機能(WDS)が停止する場合がある。
- ファームウェアを最新に更新することで、改修可能(WAPM-2133TRの例)
- リピーター機能(WDS)を使用していて、無線チャンネルをAutoに設定した場合、リピーター機能(WDS)が停止する場合がある。
注意)個人向けの中継機(WEX、WEM)は、接続できない
参考)
法人向けアクセスポイントの一覧・機能比較表
- 管理者機能搭載アクセスポイント : AirStation Pro 「商品ラインナップ」
- 「Wi-Fiアクセスポイント一覧PDF」
- 「管理者機能搭載アクセスポイント商品比較表」
参考)個人向けルーターの中継について